緑内障の点眼薬について
緑内障の治療に使う点眼薬は種類が多く、同じ作用を持つ複数の点眼薬があります。房水の生産抑制や排出促進、瞳孔収縮により隅角を広げるもの、視神経の働きを助ける循環を改善するものなどがあります。基本的に1剤の処方からはじめ、経過を観察しながら複数の点眼薬を組み合わせて処方します。
点眼の片目トライアル
点眼薬の作用の出方には個人差がありますので、片目のみに点眼する片目トライアルを行って経過を観察し、効果を確かめてから両目の治療を開始する治療をお勧めしています。この方法によって副作用の有無や程度も確認できますので、安心して治療を進めることができます。
点眼薬による治療の注意点
当院では1剤による治療を行えるよう心がけています。ただし、効果が不十分な場合には複数の点眼薬による治療を行うこともあります。
点眼の用法・用量は最大の効果を得られて副作用を最小に抑えるよう決められています。点眼回数や量を増やしても眼圧を下げる効果には変わりがなく、副作用リスクだけが大きくなってしまいますのでご注意ください。
点眼方法
点眼薬は、有効成分の眼内移行を促進し、それ以外の場所にはできるだけ運ばれないようにすることで、最大の効果を得て、副作用を細小に抑えることができます。医師に指示された正しい方法で点眼しましょう。
正しい点眼について
- 点眼前に石鹸で手を洗ってよく流し、水分をしっかり拭き取りましょう
- 点眼する際に、容器の先端がまつ毛に触れないよう注意しましょう
- 点眼は、1回1滴を守りましょう
- 点眼後は静かに目を閉じて、目頭の鼻に近い涙嚢部を圧迫しましょう
- 目の周囲にあふれてきた点眼薬は拭き取って、手に付着した場合は洗い流してください
- 複数の点眼薬の点眼は、5分以上間隔を空けて行いましょう
主な緑内障の点眼薬
- 非選択性β遮断薬
- FP作動薬
- EP2作動薬
- αβ遮断薬
- β1選択性β遮断薬
- α1遮断薬
- 非選択性交感神経刺激薬
- α2作動薬
- ROCK阻害薬
- 副交感神経刺激薬
- 炭酸脱水酵素阻害薬
- 配合点眼薬 (複数の有効成分が配合された点眼薬)