続発緑内障とは
眼圧は、外傷、ぶどう膜炎や白内障など目の病気、糖尿病をはじめとした全身疾患、ステロイド薬の副作用などによって上昇することがあり、こうした原因によって生じた緑内障が、続発緑内障です。
続発緑内障の原因
通常の緑内障同様に、閉塞隅角型と開放隅角型の2つに大きく分けられ、それぞれ原因は多岐に渡ります。
閉塞隅角型
虹彩によって前房隅角が閉塞して房水の流れが悪化しているタイプです。
水晶体の亜脱臼、ぶどう膜炎などの炎症、眼球内の手術後に生じる合併症などによって虹彩が押されて隅角閉塞を生じ、眼圧が上昇して発症に至ります。
開放隅角型
前房隅角に閉塞や狭窄がなく、房水の流れが悪化しているタイプで、開放隅角型がほとんどを占め、高齢者の発症が多くなっています。原因としては、ぶどう膜炎や白内障といった目の病気、糖尿病や網膜症、外傷などによって生じます。ぶどう膜炎や白内障では炎症などで眼圧が上昇します。糖尿病網膜症をはじめとした網膜症がある場合、酸素不足によってできるもろくて破れやすい新生血管が隅角に伸びてきて房水の流れを阻害し、眼圧が上昇すると考えられています。
外傷による緑内障は、目に外傷を受けてしばらく経過してから生じることが多く、外傷によってはがれたものがフィルターの役割を果たす線維柱帯の働きを低下させ、眼圧が上昇します。また、加齢によって起こりやすい落屑緑内障(らくせつりょくないしょう)は白く細かいフケのような物質が沈着して房水の流れを妨げることで発症します。
続発緑内障の症状
視神経の障害や視野の欠けがゆっくりと進みますので異常に気付くのが遅れやすい傾向にあります。ただし、続発緑内障でも急性の緑内障発作を起こすことがあり、突然激しい目の痛みや充血、強い頭痛、吐き気・嘔吐などを起こすことがあります。
失明リスクが高いのですぐに適切な治療を受け、速やかに眼圧を下げる必要があります。
続発緑内障の治療
緑内障の種類や状態によって治療法は異なります。また、続発緑内障は他の病気や外傷などによって生じていますので、その病気や外傷の適切な治療も不可欠です。ステロイド薬など薬の副作用として生じている場合には、可能であれば処方を変更することで眼圧を下げる効果が期待できます。
他には眼圧を下げるために、点眼薬や内服薬、点滴などの薬物療法、レーザー治療、手術などが行われます。
眼科疾患や糖尿病によって緑内障を生じているケースでは、炎症には消炎、新生血管がある場合はレーザー治療や手術を行います。レーザー治療は落屑緑内障に有効とされています。水晶体の問題がある場合には白内障手術を行うことで改善が期待できます。原因疾患を治療してもなかなか改善せず、眼圧が下がらない場合には緑内障手術を検討します。